妊娠中のダイビングは母体と胎児の双方にさまざまな影響を与えます。
生理が少しでも遅れたら、または妊娠の可能性が少しでもある方は、もしもの事を考えダイビングの前に安全を確認する意味でも、専門医にかかり検査をしましょう。
母体への影響
- 重いダイビング器材を持ったり、身体を冷やすことで、流産のきっかけになってしまうかもしれません。
- 妊娠の初期に起こるつわりにより、脱水症状に陥ると、血液濃度があがり減圧症になる確率が高まります。ホルモンの影響で身体がむくむ為、耳抜きがしにくくなったり、体内から窒素が排出されにくくなる為 減圧症になる確率が高まります。
- 妊娠後期になると、子宮が胃や肺を押し上げ、また水圧やウエットスーツによる腹圧により 呼吸が制限され浅い呼吸になってしまう為、酸素欠乏や二酸化炭素血症になる確率が高まります。
胎児への影響
- 母体と胎児は胎盤でつながっています。母体に窒素の気泡ができると、胎児にも同様に気泡ができるかまたは、胎盤などの胎児付属物などに気泡ができ、塞栓症などの影響を及ぼす可能性がでてきます。
- 減圧の際に気泡が生じると、胎児の場合は肺を通らずに卵円孔や動脈管を通り抜けて動脈血側に 流入します。動脈を流れて脳の血管に詰まると、重大な神経症状を起こします。
- 母体が酸素不足になると、胎児は酸素欠乏に陥ります。 胎児の酸素欠乏は脳などに重大な障害を起こします。
- 母体が高酸素分圧になると、胎児の卵円孔や動脈の閉塞を招く可能性があります。
- 妊娠中のダイビングは、流産、未熟児、先天異常、低体児の確立が通常より3倍~6倍高くなります。
以上のことを考え、妊娠中のダイビングはハイリスク!!
絶対に避けましょう。
出産後のダイビング
出産後のダイビングは、母体の健康状態、通常分娩か帝王切開かにもよりますが、 母体の生殖官などへの細菌の感染の心配を考えても、最低1ヶ月以上経ってからダイビングを開始するのがいいでしょう。
ただし、個人差もかなりありますので、ダイビングを開始するにあたって、かかりつけの 産婦人科の先生に確認をし開始するようにしましょう。
出産後のダイビングは、毎日育児に携わるお母さんにとっていい気分転換になると思います。 ご自身の体調と、時間が許すようでしたらぜひ海の中にまた出かけてみましょう!!